目玉焼きとはどんなものか。全日本目玉焼き学会(以下、当会)が考えます。
- なぜ目玉焼きなのか
目玉焼きは「卵本来の形」を維持したまま熱を通す料理です。卵は生のままでも旨くて栄養価の高い食物ですが、ある程度熱を通すことで旨味が強くなる(活性化する)からです。素材を損なわずに旨味だけを増進させた『目玉焼き』は究極の卵料理なのです。
- 半熟か固焼きか
当会では『半熟』をよしとします。もちろん、各人の好みがあるので全てがそうであるとは言えませんが、当会が半熟をよしとするその理由は以下の通りです。
- いろいろな料理における共通項として、「素材は素材のあるがままに近い状態で食べるのがうまい」ということがあります。牛肉のステーキなんかでも、レア(生焼け)が一番うまいとされています。しかし、生というのは「食べにくい」というのも事実です。その食べにくさが「=まずい」につながることも多いと思われます。
そして、卵の場合加熱せずとも安心して食べられるのは日本の卵の場合というのがあり(海外では卵の黄身の中に食中毒の原因になるものがいるというのは常識らしい)、それゆえに、海外では固焼きがほとんどであることが多いらしいです。しかし、我々は日本人であり、生でも安心して食べられる卵が安価で入手できるのです。そうである以上、必要以上に熱を通すことはないと思われます。
ここで目玉焼きですが、熱が通り過ぎた目玉焼きは、黄身がパサパサしてて食べづらいし、食感もよろしくないものです。喉につまるような気がします。だが、卵というのは、熱が加わることによって味が濃くなる、もっと言えば「美味しくなる」のです。なので、ある程度熱を通す方が良いと考えます。
すると、『半熟目玉焼き』は黄身と白身が別れているという卵本来の姿を崩さず、卵本来の旨味を生かし、より旨さが増して食べ易い形態なのです。さらに、半熟の場合は黄身を潰して白身と合わせることで、黄身と白身が別れてる状態とは別な味わいも楽しめるのです。
- しかしながら、当会は「固焼き」を否定するわけではありません。固焼きは安全性においては、明らかに半熟よりも秀でています。口に入れる食物は「安全性」が重要であり、命にもかかわるものです。それに、半熟の黄身のドロっとした感触が嫌だという方には向いており、固焼きには固焼きの良さがあります。
- 片面焼き(サニーサイドアップ)か両面焼き(ターンオーバー)か
当会では、『目玉焼き』という名前にこだわるため、目玉の仕上がりの美しさから「片面」を良しとします。しかしながら、各々に良さがあります。以下のように列記しておきます。
- 片面焼き(サニーサイドアップ)の良さ
・見た目の美しさ(卵の形が維持されている)
・手順が少なく電子レンジでも作ることができる手軽さ
・表面の食感のなめらかさ
- 両面焼き(ターンオーバー)の良さ
・熱の通し加減がつけやすい
・白身の香ばしいさが高い
・確実に両面が固められる
- 当会における、「究極の目玉焼き」とは
『半熟で片面焼きの目玉焼きで、黄身の表面にはうっすらと白い膜があるもの』としておきますが、各々の好みがあるので、各人が思い思いの目玉焼きを「究極の目玉焼き」とすれば良いと思います。
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